進学フェアに参加したあとの夏休みは、塾の夏期講習やらお墓参りやら、バタバタといつも通りの日常に戻りました。
でも私の中で「高校留学、アリかも・・・!!」という思いがむくむくと湧いてきたのです。
でもそれを口にしてしまって、好奇心旺盛の息子がその気になってしまうと大変!行きたくても経済的に全く手が届かなかったり、条件的に無理だったり・・・となってしまったりする可能性も十分にあるわけで。
夫と相談した結果、とりあえず現実的に可能かどうかを確認しようということになり、まずは「高校留学」って何ぞや!?というところから調べてみることにしました。

え、そこから???



恥ずかしながら、そこからのスタートだったんです
高校留学に関する情報が、ない!
高校を卒業する目的での留学について、まずはインターネットで軽く調べてみることに。
スマホで何でも答えが出るこのご時世、調べられないことなんてないと思ってましたが、甘かった。
高校の卒業を目的とした留学の情報は、驚くほど少なかったのです。
大学生や高校生の短期語学留学の情報は山ほどある。ワーキングホリデーの情報も、たくさん。そして、例えば芸術やスポーツのために海外留学するセレブな方たちの情報も、少し。
でも調べ方が悪かったのか、高校卒業留学に関する情報はかなり少ないものでした。
「ない本はない!」とうたう書店に行って探してみるも、ない。海外旅行や短期の語学留学の本なら山ほどあるのに、高校卒業留学に関する本は、ほとんど見つけられませんでした。
留学エージェント「B」へ
知識ゼロの夫と私。加えて情報もなければ話になりません。先日の進学フェアの留学エージェント「B」の事務所を訪ね、相談してみることにしました。
主に相談したかった内容は、以下のとおり。
私たちには全く知識がないけど、大丈夫?
留学の知識が本当に皆無の私たち夫婦。
昨日今日の思いつきで「留学」なんて、ふざけてるって思われちゃわないかな。留学なんてものは、幼少期からそれに向けて準備するような意識の高い人が望むことで、私たちなんかじゃ門前払いをうけてしまわないだろうか。
そんな心配をしながら留学エージェント「B」へ足を運びました。
そんな心配をよそに、とても親身に質問に答えてくれたエージェント「B」。担当さんの話では、私たちみたいに何の知識も持たず、ファーストステップとして留学エージェントに相談に来る人は少なくないそうです。
そして時代が目まぐるしく変わる今、「現在」の最新情報や知識を持っている人なんて一般人にはいないのが当たり前だそう。よっぽど仕事で携わってたりしない限り、それってごく普通のことだそうです。
だからこそ、すべてをお任せできるエージェントなるものが必要なんですね。
日本の中学校を卒業した後、海外の高校に進む選択肢について
親の仕事の都合などで学校生活を海外で過ごしてそのまま高校生になるパターンはあれど、日本の中学校を卒業して海外の高校で3年間を単身で過ごすというパターンは、ゼロではないもののやはり少ないそう。
このエージェント「B」でも、メインは小中高生向けの夏休みなどを利用した短期語学留学や大学生をターゲットにした語学留学でした。
それでも、さまざまな理由で日本の高校進学を選択しない人も年々増えているそう。
例えば
- 日本で通いたいと思える高校が見つからない人
- 海外の生活に憧れがある人
- 日本の学校システムが合わないと感じている人
- 小・中学校でまわりとなじめずに通えなかった人
- ただただ英語が話せるようになりたい人
- 両親と折り合いがつかず、離れたいと思う人
などなど。どんな理由であれ、海外での高校進学を望む人は、ひと昔と比べると格段に増えているようです。
海外の高校卒業後の進路について
日本で義務教育の中学校を卒業し、海外の高校へ。聞こえはいいけれど、海外の高校生活を何らかの理由で断念したとすれば、日本に戻ったときにはいわゆる「中卒」です。
無事に高校を卒業できたとしても、友達はみんな、大学受験を迎えるころ。海外の高校を卒業して帰国したあとの進路の選択肢はどんな感じか、まったく見当がつきませんでした。
エージェント「B」の担当者によると、海外で2年間以上の就学経験のある子は「帰国生」扱いとなり、親の帯同で海外生活を送る「帰国子女」とは明確な違いがあるそうです。
そしてこの帰国生。ひと昔前は海外で学校生活を送ってきただけでもてはやされ、さまざまな大学が「帰国生入試」たる枠を設け、引く手あまただった時期もあったそう。
でも今は、そこまで甘くない。英語を喋れる「だけ」の人材は、学校側も欲しいとは思わないんですって。
海外の高校卒業資格はもちろんのこと、海外の語学や文化を身につけ、今後、海外との橋渡しとなるようなグローバルな人材。「何を学んできたか」「何ができるか」を明確に発信してアピールできなければ、必要とされない世の中になってきていると、厳しい現実を突きつけられました。
もちろん大学によっては、総合型選抜(旧「AO入試」)といった形で、英語力を活かしたかたちでの受験ができたり、IELTSなどの英語の資格で一次試験が有利になったりすることもあるそうです。
でも、海外の高校を卒業したんだから、大学進学は楽チン~~♪ なんて、甘いものではどうやらなさそうです。
ただ、年単位で変わっていく受験システムのことを今から心配しても仕方がない。それもしっかり3年間の高校生活を送ってからこそのこと。その3年間がマイナス要素になることはないと信じて、高校卒業後のことは今の段階では考えないことにしました。
気になる費用について
費用については、国・地域・学校によって本当にばらつきがあるそう。
高校生は基本的に3食付きのホームステイとなりますが、ホームステイ費用や学費、保険、交通費などなどを合計すると、ざっくり、本当にざっくりと350~500万円くらいとの見積もりを提示されました。
後に、この支払い金額とは大きく変わることになりますが、まずは私たちにこの金額×3年間が支払えるのかどうかの目安となりました。
実際にかかった費用については、こちらの記事で詳しく記載しています。


高校留学は現実的に可能?家族会議
エージェント「B」から話を聞いた後、夫とふたりで家族会議。
不明点についてはほぼクリアになったものの、やはりネックになったのは費用でした。
我が家はごくごく普通のサラリーマン家庭。一人息子のため、コツコツと学費は貯めてきたものの、それはあくまで日本の高校、大学に通う前提。まったく足りる気配がありません。
息子の出産を機に仕事を辞め、その後パートとして働いていただけの私でしたが、この機会にフルタイムで仕事を再開することを決意。幸い専門職だったこともあり、昔のつてをたどって何とか職を得ることができました。
それでも決して余裕のある生活ではありませんが、息子が生まれたときから掛けている学資保険、貯めてきた児童手当、学費として積み立ててきた貯金・・・。それらすべてを合わせてなんとかなりそう、と目途が立ったところで、息子に留学を提案してみることにしました。
世の中的に、留学は「金持ちの道楽息子が遊びに行くモノ」と言われているとかいないとか。
でも断言しますが、そんな家庭ばかりでは決してない!
この記事を書いている今も、来年度の学費のために身を粉にして働く日々を送っています。
留学を実現するための絶対条件とは
いろいろと話を聞いたり情報を集めていったりするうちに、留学を実現するためにはいくつかの絶対条件があると感じてきました。
以下に挙げる項目のうち、ひとつでも欠けてしまったら留学は難しいのでは思います。
本人の意思
まずは、これに尽きると思います。
親がいくらその気でも、どんなに幼少期からしっかり準備をしてきても、そして潤沢な資産があったとしても、本人が前向きに「行きたい」という意思を持っていないと、たとえ他のすべての条件が揃っていたとしても実現は不可能だと、私は思っています。
本人が行きたくもないのに「現地に行ってしまえばなんとかなる」とばかりにぽいっと放り出すわけにいきません。さらに「行かされた」感を持ったまま現地に飛び込んでしまうのは、本当に危険!何かあったときの対応力にも絶対的な差が出ます。
親元を離れ、誰一人知り合いのいない異国の地で過ごす精神的なリスクや言葉や文化の違いに戸惑うこと、日本の常識さえ習得しきれてない15歳でも判断を迫られる場面があることなど、マイナス面についてもしっかりと納得し、それでも「行きたい」という意思を持てない場合、決断は慎重になるべきと思います。
親の意思
前述したように、本人にその気がなければうまくいかないのはもちろんですが、逆に本人が行きたいと思っても、親の理解がなければ、留学は叶いません。
別記事でも記載しますが、今回の留学手続きに関して、親の出番が多いこと!
保護者2人がそろって出向かなければならない後見人手続きや膨大な書類への記入やサイン、戸籍謄本の取得など、とにかく準備には時間と手間がかかりました。エージェントを通さずに直接自分で手続きされている方もいらっしゃるようで、頭が下がります。
小さな子供の送り迎えを怠ると「虐待」とまで言われる海外の文化では、日本以上に保護者の存在が必要とされると痛感しました。
子供から留学したいと相談があった場合、しっかりと話し合うことが必要です。
メンタル
もちろん性格もありますが、子ども自身の「強さ」、これも必要不可欠だと思います。
たったひとり、親元から離れて異国の地に行くことは相当な精神力が必要です。海外への憧れだけじゃ、難しいかもしれません。
友達もいない、相談できる大人もいない、日本語が通じない、食事も日本とは全然違うし、病気になってもひとり。洗濯も掃除も自分でやらないといけないし、湯船にもつかれない。困ったときに誰かがやってくれることなんてない。「自分で」全部やりきる覚悟を15歳で持つのってなかなか大変です。
そして、15歳の子どもと離れて暮らす決断をする私たち親のメンタルも、なかなかに強さを必要としました。
経済的問題
そして、これ。後にも先にも費用面での問題をクリアしないことには始まりません。
別の記事で詳細を記載しますが、「3年間」って、あくまでも順調に進級できてこそ。進級や卒業が難しい場合、プラス数年かかることは覚悟しなければいけません。
また、3年後に帰国するのか、現地の大学に通いたいと言い出すか、今の段階では全く未知の世界。現地での大学費用は高校以上にかかるといいます。
余裕をもった計画は必須。資金切れで途中で帰ってくることに・・・なんてことにならないよう、資金計画もしっかりとしなければならないのです。
現実味が見えてきた!?
私たち親も覚悟ができ、経済的にもギリギリなんとかなりそう、というところまで話が進んだところで、留学に向けて現実味が見えてきました。
あとは息子の意思とメンタルです。
まずは留学を息子に提案し、意思を確認してみることにしました。