今回は最大の難問、そして気になる留学費用のお話です。
実際、留学費用っていくらかかるんだろう?
知識ゼロの私たちには全く見当がつきませんでしたが、数社で見積もりを取ると、実際にかかる費用が少しずつわかってきました。
授業料やホームステイ費用などは国や州によって費用が大きく異なりますが、大きく分けると以下のようになります。
- 州によって異なる費用(授業料・ホームステイ費用など)
- エージェントにかかわる費用(申込金・サポート費用など)
- 必要経費(申請費用・航空券・滞在費など)
ひとつずつ、見ていきましょう。
州によって異なる公的な費用
カナダの公立高校へ留学の見積もりでは、州によって大きく異なる金額を提示されました。
年間費用 | メープルリッジ学区 | デルタ学区 | バンクーバー学区 |
---|---|---|---|
授業料 | CA14,500ドル (約161.1万円) | CA15,900ドル (約176.6万円) | CA16,300ドル (約181.1万円) |
ホームステイ 費用 | CA10,500ドル (約116.6万円) | CA11,000ドル (約122.2万円) | CA14,750ドル (約163.8万円) |
合計 | (約277.7万円) | CA25,000ドル (約298.8万円) | CA26,900ドル(約344.9万円) | CA31,050ドル
※カナダドルレート:CA1ドル=¥111.08で計算
デルタ学区とバンクーバー地区の差は67.2万円。州によってかなり差が出ますが、公立高校のため現地の教育委員会が定めた金額であり、エージェントにより変わるものではありません。
この年間費用は、入学月の9月~翌6月の10か月間分。6月で一学年が終わると、基本的に留学生は一時帰国するのが一般的だそう。サマースクールなどを理由に帰国しないことを選択した場合、ステイ先の都合などによっては夏期のみホームステイ先が変更になる場合もあるそうです。
授業料は留学生と現地生で異なるのが一般的
日本の私たちの地域では、私立高校の授業料としてかかる費用は年間約70~80万円。提示されたカナダの授業料は、ざっくり倍程度かかることになります。
カナダでは日本とは受験背景が大きく異なり、現地生は日本の中学校のように地元の公立高校に受験なしでそのまま通う子がほとんどだそう。
移民が多い国なので、留学生の受け入れにはとても積極的ですが、現地生と留学生とでは、学費が大きく異なるのが一般的だそうです。
ホームステイ費用
ひと月当たり3食付きで約10万円。高額ではありますが、日本で寮生活を送る高校生の平均値並みのようです。
カナダではホームステイ先の斡旋は教育委員会がおこない、こちらの費用も州によって固定となるそうです。そして高校生の場合、後見人(現地での保護者の役割を担ってくれる方)の関係もあり、ホームステイ以外は認められていないとのこと。希望してもひとり暮らしなどはできないことになっているそうです。
でも、アパートやシェアハウスでなく、州のお墨付きであるホストファミリーと過ごせることは、言語に不安のある子どもにとっては大きな安心感であり、「家族」として接してもらえることは私たちとしてもありがたく思います。
ホームステイを受け入れる家庭は、以下の3つを用意しなければならないとの条件があるそうです。
息子のステイ先でもこれらはしっかり守られていました。
- ベッド付きの個室
- 学習机
- 3度の食事(昼食はランチを持たせてくれます)
エージェントによって異なる費用
エージェントごとに異なる、申込金やサポート費用。
これはエージェントの規模だけでなく、現地サポートの手厚さによってもかなり違うと感じました。
まず、現地オフィスを構えていること。日本人がスタッフとして常駐していること。これは子どもにとって大きな安心感となり親にとっても重要ですが、この有無がサポート費用にも大きく反映されています。
そしてどこまでのサポートをしてくれるかによっても大きな差が。
例えば、成績表や報告書の送付、大学入試に必要な書類の手配などはほとんどの留学エージェントの見積もりで含まれていましたが、中には家庭教師の手配や銀行口座の開設、携帯電話の契約、スポーツクラブへの入会手続きの手伝いをしてくれるところもありました。
どこまでのサポートが必要か見極め、自分に合ったエージェントを選択すべきと思います。
- 申込金(約30~50万円。申込書の提出と同時に支払う必要がある場合がほとんど)
- 現地サポート費用(初年度約30~50万円。2・3年目では費用が安めに設定されている場合が多いようです)
その他の必要経費
上に挙げた授業料やホームステイ費用、エージェントに支払う費用のほかにも必須の出費があります。
留学に必要な手続きに関する準備段階で、その都度こまごました費用が発生しました。
- 学校への願書申請料(約CA300ドル=約3.3万円)
- 学校保険料(地域による。日本の団体保険のようなもの。年間約CA750ドル=約8.3万円)
- 海外留学保険料(任意。日本で契約。年間約20万円)
- 学生ビザ書類作成費用(約3.3万円)
- 学生ビザ申請費用(約1.6万円)
- 現地後見人書類作成・手配費用(約CA300ドル=約3.5万円)
- バイオメトリクス登録費用(約1万円)
- 戸籍謄本翻訳費用(約1.5万円)
- 航空券(片道約23万円・直行便)
ざっと合計すると、64万円。一度に支払うわけではないものの、積み上げるとかなりの金額に。
でも、航空券や留学保険などは選択する種類によっては安く済ませられることもあります。
例えば、海外留学保険料。学校で必ず入る学校保険(医療保険)があるため、学校保険では補えないもの(損額賠償や携行品など)を個人で契約する留学保険に組み込むことになりますが、最低限のものを選択すれば費用を抑えることが可能です。ただ日本では月々支払うような保険料などもまとめて支払う必要があるため、金額がドン!と跳ね上がったりします。
航空券については、乗継便を使用したり、オフシーズンの渡航にすれば半額以下になることもあります。
でも普段飛行機に乗りなれていないうえに単独で飛行機に乗るのは初めての息子、通じない英語での乗継は難しいと判断し、直行便を選択したのも高額になってしまった要因の一つです。
留学ローンを紹介されたけれど
高額な留学費用を補填するため「留学向け教育ローン」というものを紹介されました。でも利用にはさまざまな条件があり、調べてみると手放しで飛びつけるようなものではありませんでした。
例えば公的ローンを利用するには所得制限等があり、費用の足しにと私がフルに働いてしまうと制限に引っかかってしまうようなかたちで、我が家のケースとは残念ながらマッチせず。かといって、所得制限にかからないよう所得を抑えるのも本末転倒です。やはり、幼少期から留学を見据えてしっかり貯めておけばよかったかなと思ったりもしました。
ちなみに、カナダの大学でも奨学金があるらしいですが返却不要の奨学金となると、かなり狭き門だそうです。
結局のところ、総額は?
初年度請求額は、総額で約500万円。エージェントへの申込金や航空券、保険料なども含んだ金額です。すべてエージェント経由で支払いをおこないました。
支払 タイミング | 内容 | 金額 |
---|---|---|
申込時 | 申込金 | 約50万円 |
学校入学 許可後 | 学費・ホームステイ費用 (10か月分) | 約400万円 |
出発直前 | 航空機費用・保険料 | 約50万円 |
カナダは9月に新年度を迎えますが、今回、息子は10年生(小学校から数えて高校1年生を指します)として入学します。
9月から翌年6月までの10か月分の学費は一括での支払いが必要です。我が家は入学前年の10月下旬、学校の入学許可が下りたタイミングで請求書が届きました。今後、11年生・12年生分の支払いも、入学よりおよそ1年前を目途に進学の意思を問われ、進学するのであれば12月ごろに次年度分の請求があるとのこと。
決して余裕があるわけではない我が家。定期預金やこつこつと貯めてきた大学費用をすべて支払いにまわすことになってしまいました。
カナダでの高校卒業を目指し、そこでしか味わえない貴重な3年間を過ごしてきてくれることと信じたいです。