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仲間たちへのカミングアウトと親の思い

出願を終え、留学準備を着々と進めているところですが、忘れちゃいけないことがありました。

あくまでも、息子の第一希望は日本の公立高校だったのです。

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公立高校受験大詰め。塾は無駄ではなかった

2月。同じ塾に通う仲間たちと公立高校合格を目指し、受験は大詰めを迎えました。

結果をお伝えするまでもなく、惜しくも合格は叶わなかった息子。

だからこそ、このブログ「中学卒業からのカナダ留学」が存在するわけです。

結果的に留学を選択することになった息子ですが「高みを目指して仲間と切磋琢磨した」という、何にも代えがたい経験ができたと思っています。

決して安くはない塾の費用ではありましたが、毎日塾に通って仲間と一緒に勉強に励み、時には塾帰りにコンビニで軽食をとりながら学校では話せないことを話す。
学校でも家庭でもない、「第3の居場所」があることは本人にとってもかけがえのないことだったように見受けられました。

留学への切り替え

合否発表当日。

合格発表を見に行くこともできるのですが、息子はネットで確認するとのことで、家族で「せーの」で結果を見るボタンを押しました。

そして結果を見た息子の第一声。

よし、切り替えた!

「カナダ留学」が決定した瞬間です。

おそらく、受験後の自己採点で結果はある程度予測はついていたはずの息子。

いつからかはわかりませんが、もしかしたら留学の可能性の話をした昨年の夏から、カナダ留学実現を描いていたのかもしれません。

仲間たちへのカミングアウト

とは言え、息子は約束通り、受験結果が出るまで留学の件は周囲に一切伏せていました。

いよいよ仲間たちに話す時です。

「一緒にやってきたこの時間はなんだったんだ」とがっかりされるか、「裏切者!」と罵られるか。

受験結果発表後、仲間たちで開いたLINEのグループビデオトークに、自分の合否を確認した仲間たちが続々と集まってきました。

顔を見ながら、一緒に受験した仲間たちからの喜怒哀楽の一報をひとしきり聞いた後で

吹き出し「俺も報告があるんだ」

と切り出した息子。

俺はK高ダメだったから第2希望の高校に行くことになった。
みんなには言ってなかったけど、第2希望の高校は、実はカナダの高校なんだ。

留学を決めた経緯やみんなに言えなかった理由などを話し「今まできちんと話せなくてごめん」と伝えると、驚かれこそしたものの、その場にいた全員が「おまえならやれる!」「頑張れよ!」と前向きに祝福してくれました。

そして噂はあっという間に拡散され、それから卒業までの間、今まで話したこともなかった生徒から話しかけられたり「自分もこの先留学したいから参考にさせて」とインスタの交換をしたりと、忙しく過ごすことになったようです。

留学願望は意外とみんなあるのかも

仲間たちが激励してくれる中、意外に思ったのは「そんな選択肢があるなら自分も真剣に考えたかった」との声が多かったこと。

私たちが暮らす地域の中学卒業後の進路は、ほとんどが「希望していた私立高校」または「地元の公立高校、それがだめなら私立高校」という選択です。

大勢の生徒の高校選択のきっかけとなるのが、このブログの冒頭でお伝えした「進学フェア」。

この進学フェア、主催は主に学力テストの制作などを実施する教育関連企業です。もちろん主催側も参加者も、日本の高校に進学することが前提。

学校側はこの進学フェアに「ぜひ行ってきなさい」と勧めます。進路を決める第一歩として、どんな高校があるのか見てきなさい、という趣旨なのです。

だからなのか、一角にひっそりと存在する「留学コーナー」は目を留める方はほとんどいなかったように思いました。

進路を考え始めなければならない中学3年生に進級したてのころはまだ14歳です。

親の元から離れて生活をすること。留学が失敗すれば「中卒」であること。海外の高校に通うリスク。卒業後の進路。

そんな不安要素があることを考えるまでもなく「海外の高校進学」を選択肢に入れることは、今の日本では一般的でない、ということです。

でも冒頭に紹介したように、「普通に高校にいくのが当たり前だと思ってた」「留学なんて考えたこともなかった」「そんな選択肢があったなんて」などという仲間たちの声を聞くと、現実的に実現可能かどうかは置いておいたとしても、中学卒業後の進路の選択肢のひとつとして「留学」を挙げることは、決して悪いことではないのではないかと、思うのです。

我が家の選択とその思い

この進学フェアは、「高校留学」という選択肢をたまたま目にした我が家にとっては大きな大きな岐路となりました。息子の人生設計が大きく変わることになる決断です。

もちろん賛否両論あるとは思いますが、そのような大きな決断を14歳でさせることが無茶苦茶なことだとは、我が家では思えなかったのです。

私たち親は、環境を準備してあげることしかできません。実際に行動するのは本人なのですから。

そして今後「留学」という経験を生かすも殺すも、本人次第。

いつまでも親に頼るような、親の敷いたレール上しか走れないような、そんな大人になってほしくない。

多少荒っぽいかもしれませんが、自分で取捨選択して切り開いていくハングリー精神を持って欲しい、そんな力がこれからの世の中を生き抜くためには必要なスキルではないのかと思うのです。

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