「英語での授業についていけるのか」「学校の雰囲気はどんな感じ?」高校留学で一番気になるのが、学校での過ごし方だと思います。
特に保護者の方にとっては、勉強面で遅れることはないか、留学生として学校で孤立しないかは大きな不安ポイントです。
カナダの高校の授業スタイルや学校生活は、日本とは大きく違います。
けれど、結論から言うと、最初こそ大変なことは多かったものの大きな問題はありませんでした。
学習面では日本の方がカナダよりもはるかに進んでいるため、カナダでの高校1年生で学習する内容は、日本の中学校3年生のおさらいのようなものだったからです。
そして2年生に進級するころには、学校の雰囲気にも、授業の進め方にも慣れてきます。
この記事では、実際の体験をもとに、カナダ高校の授業・1日の流れ・学校の雰囲気をわかりやすく解説します。
カナダ高校の基本スタイル
以前の記事でお伝えしたように、カナダのBC州では、学校によって学期の制度が変わっています。

日本の高校のように「1年〇組」というようなホームルームはなく、自分で選択した科目の授業を決まった教室に受けに行くスタイル。
学年ごとに必須科目はあるものの、選択できる科目もさまざまです。息子は高校1年生で、以下の科目を選択しました。
英語(日本でいう国語)・留学生向け英語・社会・数学・科学・体育・キャリアライフ・メディアデザイン
息子が通う高校はリニア制のため、1年間で8科目を一日おきに4科目(午前と午後に2科目)ずつ学習します。
授業ではディスカッションや発表が多く、課題も多く出されるそうです。
授業の流れと特徴
1コマの流れ
一般的な授業はこんな感じです。
- 前回の復習
- 新しい内容の説明
- グループワークやディスカッション
- 課題の提示
先生が一方的に話す時間はそこまで長くなく、グループに分かれてのディスカッションやワーク、前に出ての発表など、「参加する授業」が基本。
日本の中間テストや期末テストなどがない代わりに、単元ごとのミニテストは頻繁にあるそう。
ただ、その単元を理解していれば、別の科目の課題などをしていてもOK、という先生もいるようです。
英語が不安でも大丈夫?
英語での授業を受けることができるのか。これは本人はもちろん、保護者である私たちも一番気になるところでした。
先生の話が全部は理解できないまま授業が進んでしまったり、周りの会話についていけないことは容易に想像できます。
だからこそ、高校が始まる前に「授業を受けるためのノウハウ」を学ぶため、語学学校に通うことにしていたのです。実際の授業の役立ったのはもちろんのこと、それ以上に、語学以外へ通った意義は大いにありました。

ですが、実際に高校の授業が始まると、留学生の受け入れが多いカナダならではの配慮も多かったと言います。
- ゆっくり話してくれる先生も多い
- 留学生向けのサポート(ESL)がある
- 周りも慣れている
息子も最初はかなり苦戦していたようですが、数週間〜数ヶ月で徐々に慣れていきました。
最初は授業の半分くらいしか理解できなかったと言っていましたが、徐々に聞き取れるようになっていったそうです。
学校の雰囲気

息子が入学して数か月たったころ、私たち保護者も旅行がてらカナダに行き、学校の見学をさせてもらいました。
海外ドラマなどにあるようにフレンドリーで明るく、通りすがりの生徒も「Hi.」と軽く声をかけてくれたりと、穏やかな雰囲気でした。
息子に学校内を案内してもらった際、たまたますれ違った担当の英語教師を紹介された時には、私たち保護者に対してもフレンドリーに普段の息子の様子を話してくれるなど、先生との距離も近く感じました。
多様性が当たり前のカナダでは様々な国からの留学生も多く、息子のつたない英語でも、わからないことを聞きに行ったり、意見を言ったりしやすいとのこと。
日本のような「厳しい上下関係」というよりは、フラットな関係性で、個人を尊重する文化が強い印象です。
成績や評価の考え方
カナダでは、テスト一発勝負ではなく、日々の積み重ねで評価される傾向があるようです。
- 課題提出
- 協調性
- 授業態度
- プレゼン
- 小テスト
そのため、単元ごとの小テストだけではなく、日々しっかり取り組む姿勢が重要です。
学年の始まりは9月からですが、11月・3月・6月の終わりに、それぞれ成績表が出され、保護者にも通達されます。その内容は、%(下表の左から2列目)で示され、それによってA~Fまでにランク分けされます。

担当教師の個別のコメントも記載され、保護者としては学校での様子を垣間見ることができるので、毎回楽しみにしていることのひとつです。
遅刻・欠席の扱い
遅刻・欠席については厳しく管理され、通常の範疇を超えていると判断された場合、BC州の教育委員会から本人宛に連絡が来ます。
現に高校1年生の時には連絡が来たことはありませんでしたが、カナダでの生活にも慣れてきて気の緩みが発生し、遅刻や欠席が多くなってきた頃、本人に通達が来たこともありました。
BC州の教育委員会からは留学エージェント宛にも連絡が入り、私たち保護者にも事実確認や本人への注意喚起を求められました。
もちろん、本人の自己管理に問題があるところについては厳重注意しますが、単純な先生の出欠確認ミスがあったり、スクールバスの遅延による遅刻などもあり、そのような場合は後日申請することで修正してもらえることもあったそう。
ただ遅刻や欠席が「成績に直結するかどうか」という観点で見ると、日本ほどシビアではないようです。
もちろん、帰国後の進路によっては、遅刻・欠席の回数を重視されることもあるため軽視はできませんが、あくまでもカナダの高校での「成績」には、直接大きく反映されることはない印象です。
保護者として感じたポイント
実際に息子を送り出して2年。感じたのはこの3つです。
思ったよりサポートがある
完全に放置されるわけではなく、学校側のサポートは意外としっかりしています。
留学生だからといって特別扱いされることはありませんが、英語に不慣れだということに対しては先生も理解しており、ゆっくりと話してくれたり、わかるまで何度も説明してくれたりと、しっかりとサポートをしてくれているようです。
英語は「慣れる」
留学前に、エージェント担当者からは「高校生なら半年で耳が慣れて、相手の言うことが何となくわかるようになる」と言われていました。
実際に「耳に入る音がすべて英語」の環境に身を置いていれば、最初は苦戦しても、自然と慣れてくるようです。

聞き取れる経験を一つすると、次につながりやすい
これは息子の言葉。若いって素晴らしい!と母は頼もしく思いました。
成績より「経験」の価値が大きい
もちろん勉強は大事ですが、それ以上に得るものが多いと感じました。
- 渡航してすぐの語学学校での経験や、そこで出会った大人たちとのコミュニケーション
- 初めて他人の家で生活させてもらうことによる気づかいや、身の回りのことを自分でする生活力
- 高校での、日本とは違う文化や習慣を持つ人たちとの関係づくり
- 日本とは違う環境で、親に頼らずにひとりで考えて判断する力
これらは、日本の高校に進学していたら得られなかったことかもしれません。
このまま卒業を迎え、「高校生活の3年間を海外で過ごした」という経験は、何にも代えがたいものになるのではないかと思っています。
まとめ
カナダの高校生活は日本とは大きく違うところもありますが、決して特別なものではありません。
最初は不安もありますが、実際にはサポートもあり、無理なく馴染んでいくケースが多いようです。
こうした環境の中で、少しずつ自分で考え、行動する力が身についてきていて、まさに「習うより慣れろ」だと実感しています。





