カナダ高校留学で「生活が崩れる瞬間」と立て直し方|親が知らないリアルな壁と乗り越え方

高校留学と聞くと、「自由で楽しそう」「海外でキラキラした生活」というイメージを持つ人は多いと思います。

ただ、実際のところは少し違うようです。

楽しいのは事実ですが、それと同じくらい、いやそれ以上に「しんどい時間」も確実に存在するのです。

「留学がつらい」「ホームシック気味かもしれない」「このまま学校に行けなくなったらどうしよう」。高校留学ではこうした悩みを抱えるケースは珍しくありません。

実際に送り出す親としても、「現地でどんな生活をしているのか」はかなり気になるところですよね。

この記事では、15歳で単身カナダへ渡った息子の実体験をもとに、生活のリアルと崩れやすいポイント、その乗り越え方までをまとめます。

目次

カナダ高校留学の生活は「想像より普通」で「想像以上に濃い」

キラキラ留学生活…ではない

インスタに出てくるように、いろんな国籍の友人たちと英語で会話しながら学校内を闊歩し、放課後や休日は、オシャレな街に出てショッピングを楽しみ、カフェでひと休み・・・というような「毎日が刺激的!」という生活ではありません。

平日は普通に学校に行って授業を受け、部活があるときには参加し、帰宅したら宿題をやり、夕食をとったら自室で友達とオンラインゲームをし、漫画を読み、SNSで近況を報告しあい、明日に備えて眠る。

正直なところ、日本の高校生活と大枠は変わらないのではないでしょうか。

でも「普通」の中身がまったく違う

ただ、その「普通」の中身がまるで違います。

授業はすべて英語で進み、ちょっとした雑談ですら気を張る必要がある。友達関係もゼロから築く必要があり、家に帰れば家族ではなくホストファミリーとの生活。もちろんここでも英語オンリーです。

つまり、「やっていることは同じ」でも、かかっている負荷が全く違うんです。

このギャップが、後からじわじわ効いてきます。

カナダ高校留学で実際に多い「生活が崩れるパターン」とは

「なんとなく大変そうなのはわかったけど、具体的にどんなときに崩れるの?」と感じた方もいると思います。

息子の様子を見ていて感じたのは、生活が崩れやすくなるタイミングには、いくつか共通する流れがあるということでした。

ホームステイがしんどくなる瞬間|「気を使い続ける疲れ」は想像以上

まず多いのが、ホストファミリーとの距離感に疲れたときです。

最初のうちは気を張っているので問題なく過ごせますが、1〜2ヶ月ほど経つと、「気を使い続けること」にじわじわと疲れてきます。

明確なトラブルではない分、誰にも相談しづらく、ストレスだけが溜まっていく状態になりがちです。

「友達はいるのに孤独」カナダ高校留学で起こりやすい孤立感

次に出てくるのが、学校での孤立感です。

友達がまったくできないわけではなくても「本音で話せる相手がいない」という状態が続くと、安心できる場所がなくなっていきます。

授業も英語で進むため、知らないうちに精神的な負荷が積み重なっていきます。

勉強面でのつまずき

そして見落とされがちなのが、勉強面でのつまずきです。

カナダの成績は積み上げ型なので、一度流れに乗れなくなると、そのままズルズルと影響が出ます。特に英語科目は「なんとなく理解しているつもり」で進んでしまい、後から差が出るケースも少なくありません。

日本の授業のように「とりあえず座って聞いていれば何とかなる」という感覚では通用しない場面も多く、ディスカッションやレポート提出が重なると、一気に負荷が高まります。

「英語が完璧に聞き取れなくても何となく過ごす」が積み重なると、後から苦しくなることがあります。

「英語がわからない」というより、「考える余裕がなくなる」という感覚に近かったのかもしれません。

日本の友達とばかり話してしまう|留学生活が崩れやすい危険サイン

さらに意外と多いのが、日本とのつながりに寄りかかりすぎてしまうパターンです。

スマホひとつでいつでも日本とつながれる環境は安心感がありますが、その一方で現地の生活から少しずつ距離を置いてしまう原因にもなります。

気づいたら日本の友達とばっかり話してて、こっちで何もしてなかった時期があった

このような状態が続くと、生活の軸が静かにズレていきます。

こうしたストレスは、最初は目に見えません。ですが、少しずつ生活リズムや行動に表れ始めます。

留学中の不登校?「学校に行きたくない」が増え始めた時期

カナダでは、9月から翌年6月がSchoolYearと呼ばれる1学年の単位です。

息子が日本に帰国するのは、学年が終わった夏休みのみ。

そのため、春休みや冬休みなどの長期休暇の時には、ホームステイ先で過ごすことになります。

息子のSOS?休みがちになった学校

長期休暇時は毎日出歩くわけではなく、家にいるときには自室で過ごすことが多かったと言います。

同時期には日本の友人たちも長期休み中。すると、必然的に日本の時間に合わせての行動が多くなってきました。

日本時間の学生たちのゴールデンタイム、17時~24時ごろは、カナダでは午前1時~8時ごろ。オンラインゲームに興じて、少しの夜更かしのつもりが気づいたら朝になっていた・・・なんてことはザラにあったよう。

すると、睡眠時間もずれ、結果的には日本時間で過ごすような昼夜逆転の生活になってしまうこともあったと言います。

そして生活のリズムがすっかりと狂った休み明けには学校を休みがちになったり遅刻や早退が多く見受けられるようになってしまいました。

離れてるからこそ伝わる、息子の想い

留学エージェント経由で「出席率が低下している」と連絡を受けた私たち保護者。

BC州の公立高校では、欠席時の保護者連絡が以前より厳格になっています。体調を理由に、何度かの欠席を把握してはいたものの、無断欠席が多くあると言われて驚きました。

当時の私は、「怠けている」のか「限界なのか」がわからず、正直かなり悩みましたが、息子とのビデオ通話を通じて、状況の確認と、少しの本音を聞くことができました。

息子の場合、ホームシックはなかったものの、留学疲れがあったように思います。はっきりと「留学がうまくいかない、つらい」というわけではなく、「何となく疲れた、ダルい」というような感じです。

もしこれが日本にいたとして、反抗期真っただ中の息子とテーブル越しに話していたら、お互い感情的になり、うまくいかなかったのではないかと思います。離れているからこそのビデオ通話、そして冷静な判断ができたのかもしれません。

崩れかけた生活を立て直したきっかけと行動

一度崩れかけた生活をどう立て直したのか。ここが一番気になるところだと思います。

実際には、何か特別なことをしたわけではありません。

きっかけはとてもシンプルで、「このままだとまずい」と本人が自分で気づいたことでした。

特に我が家の場合、「裕福で余裕があるから留学させているわけではない」ということを本人に幾度となく伝えています。通っていた公立中学校や塾の先生にも「せっかく得た機会なんだから、大事にしてほしい」と言っていただいていました。

もしかしたら、頭の片隅によぎることもあったのかもしれません。

そこからまずやったのは、小さく環境を動かすことでした。放課後の過ごし方を変えてみたり、学校のアクティビティに参加してみたり。いきなり大きく変えるのではなく、「少しだけ違う選択をする」ことで流れを変えていきます。

行動1:部活動に参加してみた

息子の場合、先生の勧めでTrack and fields(陸上部)に入ってみることにしたそうです。これは、毎年5月に開催される大会に向けてのもの。

日本とは感覚が違うカナダの部活

日本の部活動のように「3年間続ける前提」ではなく、カナダではシーズンごとに参加するスタイルが一般的です。日本では1年生で部活動に参加して下積みをし、2年生で順レギュラー、3年生の夏に引退するまでレギュラー目指して頑張る!というようなスタイルに対し、カナダでは数か月後の大会に向け、やりたい人が手をあげて練習に参加するようなイメージです。

週に3日、放課後に練習する生活を数か月続けることで、変わってきたことも多かったそうです。

とりあえず部活入ったら、そこで話す人できたのが大きかった。体思い切り動かせてリフレッシュもできた!

こうした小さな変化が、結果的に大きな転換点になります。

行動2:遊ぶ時間帯を変えてみた

日本人の友達とのゲームは、カナダで生活する息子にとって、最大の息抜きだったそう。

そのため、辞めるのではなく「早起きして遊ぶ」方法に切り替えたとのことでした。

夜早めに床につき、深夜3時にわざわざアラームをかけて起きるのです。その時間は日本時間の夜11時。友達同士、盛り上がる時間帯です。

もし起きれなければその時は仕方ない。でも起きることができれば遊ぶと自分でルール化したそう。

え、そこまでして遊ぶ・・・!?

最初は何やってんだかと呆れ気味でしたが、息子にとっては、それが心を守る方法だったのかもしれません。

それでもダメなときは「環境を変える」選択も必要

ただし、すべてが本人の努力で解決するわけではありません。

どうしても合わない環境というのは、一定の確率で存在します。

特にホームステイについては、本人がどれだけ頑張っても改善が難しいケースもあります。無理に我慢を続けると、逆に心身への負担が大きくなってしまうこともあるため、見極めが重要になります。

「我慢すれば乗り越えられる問題なのか」「環境を変えた方がいい問題なのか」。

この判断ができるかどうかで、その後の留学生活は大きく変わります。

実際に息子もホームステイ先を変更することになりましたが、結果的に良い方向に向かったことは、この判断が正しかったと言えそうです。

日本人とばかりいるのは問題?

せっかく異国の土地に行ったんだから、日本人のいない環境で、どっぷり英語に浸かってほしい。日本でできない経験をしてほしい。

私たちもはじめはそう思っていました。

でも、果たしてそうでしょうか。

家でも学校でも英語漬け。どうしたらいいかわからないときや自分の解釈が正しいかどうか不安に思うときに、同じように留学してきた日本人同士と情報交換をする。それはきっと、ホッとできる瞬間でしょう。

確かに、周りに日本語が伝わらない環境であれば、英語を使うほかありません。英語力も上達するでしょう。現に、一昔前のインターネットがない時代はそうだったかもしれません。

けれど、スマホ世代の今の子どもたちにとっては、手を伸ばせば日本につながる小さな端末があるのに、それを触るなというのは、あまりに酷な話です。

問題は、日本人に接するかどうかではなく、自分なりの距離感を保つことだと感じました。

まとめ

留学は、「強い子だけが成功する経験」ではなく、SNSで見るような「キラキラした留学生活」だけではありません。

実際には、

  • 学校に行きたくない
  • 何となくしんどい
  • 理由はわからないけど疲れた

そんな時期を経験する子も少なくありません。

でも、それは「失敗」ではなく、環境が大きく変わった中で、自分なりにバランスを取ろうとしている過程なのだと思います。

むしろ、崩れたり迷ったりしながら、自分で立て直す力を身につけていく過程そのものに価値があるのだと思います。

実際、息子も順風満帆だったわけではありません。

自他ともに「メンタル最強」と認める息子でしたが、そんな息子でも、留学ストレスの影響は確実にあったのだと思います。

学校に行きたくない時期も、生活リズムが崩れたこともありました。

それでも、「何が問題なのか」を自分で整理し、小さく環境を変えながら少しずつ前に進んでいきました。

もし今、

「留学生活がうまくいっていないかもしれない」

と不安を感じているなら、それは決して珍しいことではありません。

大切なのは「崩れないこと」ではなく「崩れたあとにどう動くか」なのだと思います。

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