「カナダの高校留学って、実際どんな生活をしているの?」
これは、留学を考える保護者の方から特によく聞かれる質問です。
安全面や生活リズム、学校での過ごし方が見えないと、不安になるのは当然だと思います。
この記事では、「ちゃんと生活できるのか」「危なくないのか」など、保護者として気になるポイントも含めて、実際の生活をリアルにお伝えします。
平日のスケジュール
カナダの高校生活は、日本とは少し違う「自分で管理する生活」です。
時間割も比較的自由度があり、科目選択によって1日の動き方が変わります。
朝〜登校
朝は比較的ゆったりしています。
- 起床:7時前後
- 朝食:ホームステイ先で軽く食べる
- 登校:8時30分に学校到着を目指し、徒歩またはバスを利用
息子の学校では、日本のような「部活動の朝練」はありません。
また「朝のホームルーム」などもなく、登校後すぐ授業が始まるのが一般的だそうです。
現地ではあくまでも「自己責任」。朝、時間通りに起きてこなくても、ホームステイ先のファミリーが起こしてくれることはありません。
保護者の視点で見ると、「きちんと起きられるのか」という不安が出やすい部分ではありますが、現地では生活リズムは自然と整っていくようです。
授業
カナダ西部に位置する、BC州(ブリティッシュコロンビア州)では、高校で履修する科目は1年間で8科目。
学校によってセメスター制とリニア制で分かれています。

息子の学校はリニア制。9月~翌6月までの1年間、8科目を一日おきに4科目(午前と午後に2科目)ずつ学習します。
また、週に一度「FIT(Flexible Instructional Time)」と呼ばれる自習枠があり、生徒が自分の学習ニーズに合わせて自由に使い方を決められます。
- 個別指導を受ける
-
授業でわからなかった箇所を先生に質問しに行く
- 課題やプロジェクトを進める
-
宿題を終わらせたり、グループワークの打ち合わせをする
- テストの受けなおし・補修
-
欠席したときのテストを受けたり、遅れている課題を仕上げる
- キャリア教育(CLE/CLC)
-
卒業要件であるキャリア教育に関するワークショップや面談に参加する
上記のような使い方ができるほか、自分の興味のある分野を深堀りしたり、静かな環境で予習・復習や読書などをして過ごしたり。
BC州では、生徒の自主性を育てることを重視しており、このFITという時間、生徒たちはそれぞれの時間を有意義に過ごしているそうです。
放課後
授業が終わるのは、午後3時頃。
制服もなく、教科書の持ち歩きもないため、放課後の過ごし方は自由度は高いです。
- 宿題や課題を学校で終わらせる
- 友達とカフェや図書館で過ごす
- スポーツやクラブ活動に参加する
- そのまま帰宅してホームステイ先で過ごす
ただし、その分自己管理力が求められる生活になると言っていいかもしれません。
息子は、部活動や予定のない日はまっすぐに帰宅し、オンラインゲームに夢中になる時期もあったようです。
課外活動
日本のように「部活が必須」の風潮はありません。
ただ、大学進学に向けては、こうした課外活動での経験は高く評価されるため、目的意識をもって参加する生徒も多いのだとか。
スポーツ系では、シーズンごとに以下のような部活動があり、大会などに向けて参加したいものに参加する、といったスタイル。
- 春(SPRING SPORTS)
-
Badminton(バドミントン)・Football(フットボール)・Golf(ゴルフ)・Mountain Biking(マウンテンバイク)・Rugby(ラグビー)・Soccer(サッカー)・Tennis(テニス)・Track and Field(陸上競技)・Ultimate Frisbee( アルティメットフリスビー)
- 秋(FALL SPORTS)
-
Cross Country(クロスカントリー)・Field Hockey (フィールドホッケー)・Football(フットボール)・Rugby(ラグビー)・Soccer(サッカー)・Swimming(水泳)・Volleyball(バレーボール)
- 冬(WINTER SPORTS)
-
Basketball(バスケットボール)・Curling(カーリング)・Gymnastics(体操)・Hockey(ホッケー)・Skiing(スキー)・Snowboarding(スノーボード)・Wrestling(レスリング)
6月までがスクールイヤー(年度)で、7月・8月は夏休みとなるため、夏の部活動はありません。
スポーツ系のほか、文化系の活動もたくさんあります。文化系は放課後だけでなく、昼休みに活動するスタイルも多いそうです。
- アート・表現系
-
演劇・音楽・映画製作・絵画・グラフィックデザインなど
- 学術・キャリア系
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ロボット工学・模擬国連・数学・科学・ビジネス・企業・プレロー(弁護士志望の生徒が模擬裁判などをするもの)
- 社会貢献・リーダーシップ系
-
生徒会・環境クラブ・ソーシャル
- 趣味・交流系
-
ボードゲーム・チェス・アニメー・カルチャー・テーブルトーク
掛け持ちもOKで、シーズンごとに所属を変えるのもOKです。
息子は、春は陸上、秋はクロスカントリーに参加し、大会に出る経験ができました。
また、友達同士で夏は川で水浴び、冬には近くの山にスキーやスノボに出かけたそう。
自然がいっぱいのカナダでは、アクティブな外の楽しみもたくさんありそうです。


休日の過ごし方
休日も放課後同様、基本的に自由です。
ホストファミリーによっては、あちこちに連れ出してくれる場合もあります。息子のステイ先では、長期休暇には家族でキャンプなどに連れて行ってくれたそうです。
- ホストファミリーと外出
- 課題や予習など
- サッカーやスケボー、スキーやスノーボードなどアクティブに過ごす
- 友達とショッピングモールや野外ライブへ
- 家でゆっくり過ごす
カナダでの生活を始めてすぐのころはあちこち行っていたようですが、落ち着いてくると、派手な毎日というよりは、落ち着いた生活の中で英語環境に慣れていくイメージに近いです。
特に印象的なのは、息子に限らず「家で過ごす時間が普通に多い」という点です。
保護者の方から見ると「思ったより普通の生活」と感じるかもしれませんが、それがむしろ安心材料になると感じます。
日本との違い
カナダの高校生活は、日本と比べるといくつか大きな違いがあります。
時差
留学先と日本の自宅は、7500キロ以上離れています。最初は距離の不安が大きかったものの、現在はビデオ通話で簡単につながることができます。一昔前のように高額な国際電話料金などを気にすることもなく、まるで隣にいるかのような感覚を味わえるのです。
16時間の時差も思うほど不便ではなく、ちょうど息子が学校から帰宅する夕方の時間帯が日本の朝。慣れてしまえば自然にコミュニケーションが取れました。 この距離感の中でも安心感を得られたことは、留学初期の大きな支えになったようです。
自由度が高い
必須の部活動がなく、留学生のほとんどはアルバイトをすることもないため、過ごし方の自由度が高いです。

自己管理が必須
夏は22時過ぎまで夕方のように明るいカナダ。気づくと深夜になってしまうことも。うっかりすると時間が無限にあるように感じてしまうこともあり、宿題・時間管理・移動など、すべて自分で考えて管理する必要があります。
治安の良いカナダでも夜遅く時間は危険が伴います。門限は22時まで、と設定されている家も多く、日本との生活リズムや安全ルールの違いを早く学ぶ必要がありました。こうした体験は、異文化適応力を身につける貴重な一歩になったと言えます。
生活の中心は「家庭」
学校よりもホームステイでの生活が日常の基盤になります。
実際、息子も学校より「家でどう過ごすか」の方が影響が大きかったと言っていました。
ルール
家庭によってルールがあるところが多く、たいてい最初に説明を受けるそうです。
息子がお世話になったファミリーは、自室にこんな張り紙がしてありました。

ざっくり、以下の内容ですが、特に厳しいわけではなく、一般的な内容だそうです。
- キッチンは22時以降使用禁止。(電子レンジも使用不可)
- 21時半以降のシャワー禁止
- 22時以降は静かにすること
- 無断外泊は禁止
- 23~23時半までには帰宅していること
- 夕食が不要な場合は連絡すること
食事
3度の食事はホームステイ受け入れの必須条件なので用意をしてもらえますが、食事のとり方は家庭によってさまざま。
家族と一緒にテーブルセッティングしてくれ食事の支度が出来たら呼んでくれるファミリー、大鍋に用意してくれているものを自分で食べられる分だけよそって食べるスタイルのファミリー。キッチンを自由につかってOKなファミリーなど。
内容も家庭によってさまざまで、「毎週金曜日はピザのデリバリー」と決め、みんなで食べる習慣のあるファミリーもありました。
掃除・洗濯
与えられた部屋にホストが入ってくることはありません。もちろん、貴重品の管理や掃除も自己責任。
洗濯も家庭によってルールがあり、洗濯をする曜日が決められているファミリーや、いつでも好きな時に洗濯OKなルールのファミリーもありました。
カナダではほとんどの家庭に乾燥機まで設置されていて、外に干すという文化はあまりないとのこと。バンクーバーは特に「レインクーバー」と呼ばれるほど雨が多いのも関係しているのかもしれません。
まとめ
カナダ高校留学の生活は、特別なものではなく「自立した日常生活」に近いです。
派手さはなく、地元の生活に根付き、落ち着いた環境の中で少しずつ成長していく生活といえるかもしれません。
実際に息子は何度かホストファミリーを変更していますが、それぞれに特徴があり、家庭ごとに雰囲気やルールも大きく違っていたそうです。
その分、環境の変化に対応する力や、人との距離感の取り方など、日本では得られない経験を積むことができました。
最初は不安も多いですが、日々の生活を通して少しずつ慣れていき、気づけばそれが「当たり前の生活」になっていきます。
留学というと特別な体験に思われがちですが、実際にはこうした日常の積み重ねこそが、一番の成長につながっていると感じています。






