4月に入り、友人たちが次々と高校に入学して新たな高校生活を送っているのを見届けつつ、留学準備を進めていた息子。
そんな折、留学エージェント「W」で最終カウンセリングが行われました。家族3人で訪れ、出発当日までの流れ、飛行機の乗り方、現地到着後の動きなどを一つずつ確認していきます。
最終カウンセリングと息子の決意
前回の記事でも触れましたが、成田空港のゲートをくぐった瞬間から、息子は一人になります。

現地では当然、英語での入国審査。学生ビザの手続きも、すべて一人でこなさなければなりません。
留学エージェント担当者の「大丈夫そう?」の問いかけに、息子は迷いなく、

大丈夫です。何とかします
と、かなり自信満々な前向き発言。
本音はわかりません。もちろん不安がゼロのはずはないし、親としても心配は尽きない。でも彼は「何とかなる」ではなく、「何とかする」と言ったのです。
息子の前向きな意思表明を大切に、信じて送り出すことに決めました。
出発直前にやるべきこと
さて、出発まであと1か月を切りました。やるべきことはたくさんあります。
息子の旅立ちに向けて、慎重に進めていかなければなりません。
スマホの準備
カナダSIMの契約方法
留学先で使うスマホは、日本で使っていたiPhoneを、SIM入れ替えをしてそのままカナダでも使う予定。
我が家では、以前の記事でも触れたように、カナダの通信会社「TELUS」の回線を使うプランを選びました。
ただし、直接TELUSと契約したわけではありません。日本の代理店を通すことで、日本語で詳細を確認しながら契約を済ませることができました。
実際の構造は次のようになっています。
- 海外携帯ICHIBA(日本の代理店)
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日本にある会社。日本語で申し込みができる窓口で、SIMの発送や出発前のサポートを担当しています。
(参考:海外携帯ICHIBA公式:https://ichiba-mobile.com/)
- PhoneBox(カナダの格安SIM(MVNO)通信会社)
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毎月の請求を行う実際の契約先で、留学生・ワーホリ向けに人気です。日本語サポートもあります。
- TELUS(カナダ大手キャリア)
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PhoneBoxが借りている通信網。日本でいう「UQモバイルがau回線を使う」ような関係です。
出発数日前、日本の代理店からSIMカードが届き、メールでカナダでの電話番号も通知されました。
カナダSIMの設定
我が家では、中学1年の誕生日にスマホをプレゼントしていました。我が家の近所では平均的な時期だったと思います。
あれから2年。息子は、スマホ本体の基本的な設定や公共Wi-Fiの接続方法くらいは理解していましたが、通信会社との契約や、海外旅行時などに日本国外で使うための細かい設定については、これまで完全に親任せでした。
日本では、スマホは「電源を入れれば使えるもの」という感覚で、実際にそういう環境で育ってきました。
しかし、海外でスマホが使えない生活は現実的ではありません。学校からの連絡、ホストファミリーとのやり取り、地図アプリ、翻訳アプリ、緊急時の連絡手段まで、すべてスマホが前提になります。
そこで今回は、普段は触れることのない 細かい設定 についても、出発前にしっかり説明する必要がありました。
- APN(アクセスポイント名)の設定
海外SIMを使う際に必要になる通信先の情報で、これが正しく設定されていないとモバイルデータ通信が使えません。日本では自動設定されることが多いため、本人は「APNって何?」という状態でした。 - プロファイルの管理
日本の通信会社で使っていた構成プロファイルが残っていると、海外SIMの通信がうまく動かないことがあります。今回は削除まではしませんでしたが、「どのプロファイルがどの会社のものか」「必要なときにオン・オフを切り替える」という概念を説明しました。 - ローミング設定の理解
誤って日本の回線でローミングしてしまうと高額請求につながるため、「ローミングは必ずオフにする」という点も念押ししました。 - eSIMと物理SIMの切り替え
日本ではeSIMを使っていたため、カナダ到着後に物理SIMへ切り替える必要があります。
設定画面でどの回線をオンにするのか、どの回線をオフにするのか、優先回線の選び方なども事前に確認しました。
こうした設定は、普段の生活では触れる機会がほとんどありません。
息子にとっては「そんなところまで自分でやるの?」という感覚だったようですが、留学生活では避けて通れない部分です。
実際、本人も「やってみれば何とかなると思う」と話していましたが、「何とかするための最低限の知識」は、出発前に共有しておく必要がありました。
実際の設定手順
実際の流れは以下の通り。スマホ設定初心者の息子にはハードルがかなり高かったものの、自分でやるしかありません。
日本では日本の通信会社のeSIMを使用飛行機が離陸するまで、今までのeSIMを利用して通信が可能です。
カナダの通信会社のプロファイルは現地でインストールするため、ダウンロードだけしておきました。
モバイル通信の設定で、日本のe-SIM使用を一時オフに(削除はしません。日本に帰ったらオンにして使います)。日本の通信会社のプロファイルのみ削除し、飛行機モードにします。
機内のWi-Fi環境を使用。後日聞くところによると、ものすごくつながりにくく、ゲームしようにもオープニング画面すら開かなかったそうです。LINEのテキスト送受信がなんとかできる程度だったそう。
物理SIM(PhoneBOX)を差し込みます。あらかじめダウンロードしていたカナダの通信会社のプロファイルをインストールし、使用可能な状態に。
カナダの空港に到着し、設定をすればすぐに使えるはずではありますが、息子が自分で設定して問題なく接続できるかどうかが最大の不安要素でした。
日本で事前に接続テストはできないため、ある意味「一か八か」だったと言えます。
とは言え、どうしてもつながらない場合にはカナダの空港でフリーWi-Fiを利用し、まずはそれを使って連絡を取ることができます。「もしつながらなかったら、空港のフリーWi-Fiを探してLINEしてね」と伝え、念のための連絡手段を共有しておきました。
プリペイドカードの設定
現地での支払い方法として、我が家では 三井住友グループの「キャッシュパスポート」 を利用しています。


プリペイドカードはクレジットカードのように使えますが、事前にチャージした金額の範囲内で利用する仕組みです。万が一落としたり盗難にあったりしても、被害はチャージした金額まで。高校生でも安心して持たせられる点が魅力です。
ただ、息子にとっては「カードで支払う」という行為そのものが初めてに近いものでした。
日本ではPayPayなどのスマホ決済は利用していたものの、VISAやMastercardといったブランドの概念はなかったため、まずはQRコード決済とは仕組みが全く異なること、世界共通のカードブランドは多種あり、VISAなどのロゴを確認すること、という基本から説明する必要がありました。
■ 出発前に行ったこと
- カードのアクティベート
- オンライン管理画面のログイン設定
- 残高確認の方法
- 実際に使うことを想定した説明
- 現地ATMでの引き出し方法の説明
また、キャッシュパスポートには スペアカード が付属しています。これは本カードとは異なるPINを持っていて、紛失・盗難時のバックアップとして使うことが推奨されています。
スペアカードの扱いについては、次のように説明しました。
- スペアカードは 普段は絶対に持ち歩かない
- 本カードを紛失した場合は、まずオンラインで カードを停止(STOP) する
- 停止後にスペアカードを使って支払いを再開できる
- PINが異なるため、事前に番号を控えておく必要がある
- スペアカードは「緊急用」として考える
キャッシュパスポートの公式でも、スペアカードは「自宅など安全な場所に保管し、紛失時にのみ使用する」ことが推奨されています。息子にも「これは財布に入れないで、スーツケースの奥に入れておくこと」と念押ししました。
日本では銀行で現金を引き出す経験すらなく、ATMの操作もほとんどしたことがなかった息子。
海外では現金が必要になる場面もあるため、現地ATMでの引き出し方法も丁寧にレクチャーしました。
本人は「やってみれば何とかなる」と話していましたが、実際に使う場面では緊張すると思います。
それでも、事前に一通りの流れを頭に叩き込んでおくことで、少しは安心につながったのではないかと感じています。
いよいよ出発へ
最終カウンセリング、スマホの設定、プリペイドカードの準備。そして最終費用の支払いが済み、あとは出発を待つだけとなりました。
出発直前はやることが多く、親も子も気持ちが落ち着きません。
それでも、ひとつずつ準備を進めていくことで、息子の表情にも少しずつ自信が見えてきました。
出発直前の長期連休となったゴールデンウイークには、息子の壮行会と称してたくさんの友人たちが毎日のように息子に会いに来てくれ、息子も心の準備ができてきたように思います。
いよいよ、出発です。









